心霊雑談パート6

事故物件のお話があるのでわたしの体験談をひとつ。
旦那と入籍少し前、これから住む家を探し二件目のマンションを訪れた時のこと。
部屋に入る前に違和感を覚えて旦那に目配せすると、うなずいてくれた。後で聞いたらマンションの外にいた時点でいるな、とわかっていたみたい。いや教えて～。
身構えつつも中へ。臭いのように漂ってくる気配を追うと、どうもダイニング隣の和室からでした。
和室の中には何もなし。空いている押し入れを覗くも空っぽ。ほっと油断しちゃって顔をあげたら…心臓、跳ねたように感じました。
天袋も空いていたんだけど、そこに子供が横たわっていた。ただ、顔が腫れ上がって形が普通じゃなく、鼻と口許から血が流れている。
数秒程度だろうけど、充血して真っ赤になったその子と目をあわせていたら、タンが絡んでいるような声を発してね。「お"」って。
直感的に、最後まで言わせちゃいけないと感じるも、怖くて動けない。ひたすら（旦那気づいて～！）と念じていたら、横から手が延びて来て、天袋の襖をさっと閉じてくれました。
…旦那でした。大丈夫と背中を擦ってくれ、汗拭いてとハンカチを渡してくれたんだ。そこで始めて自分が汗びっしょりだって気がついた。
不動産屋さんもわたしを見て驚き心配してくれたけど、まだ上手く言葉に出来ませんでした。代わりに旦那が、
「いやあ、教えてくださらないのはちょっと不親切じゃないですかね」
声は朗らかだけど、チラリ上目使いに見ると表情がない。あ、怒ってる。
なんのことでしょうか、と困惑する不動産屋さんに、親指で天袋の指しながら、
「そこで子供…女の子ですか、亡くなってますよね。虐待ですか？」
さっと顔色が変わるって表現があるけど、まさにあれ。おー、すごい変わりようって、能天気な考え出ちゃった。と言うか、女の子だったんだ、ともね。
結局。不動産屋に戻って、案内してくれた人の上司も交えて旦那がその件をきりきり詰めていって、最終的に住めるけど決めた予算オーバーしちゃうから、と迷っていたお互いの職場から一番近いところの家賃を（たしか）一万二千円下げて貰えることになりました。
もう二十年近く前のことですが、あの子はまだ、あの天袋んk横たわっているのかな…。