米軍「イラクとシリア領内に報復攻撃」と発表

中露国境地帯で観光・貿易が活発化、過去最高３５兆円規模に…輸出待つ中国製トラックの列も（読売新聞オンライン）
ウクライナへの侵略を続けるロシアと中国の貿易総額が昨年、過去最高の約２４００億ドル（約３５兆円）に達した。中露の国境地帯では物資や人の往来が活発化しており、両国は国交樹立７５年にあたる今年、経済交流をさらに強化する構えだ。（中国黒竜江省黒河で 出水翔太朗）

黒竜江省黒河と露極東ブラゴベシチェンスクを結ぶ黒竜江大橋では１月上旬、ロシアへの輸出手続きを待つ真新しい中国製トラックが１００台以上並んでいた。侵略後、海外自動車メーカーの撤退に伴いロシアで需要が高まっているためだ。

アムール川（中国名・黒竜江）にかかる橋は２０２２年６月、米欧などがロシアへの経済制裁を行う中で開通した。ロシアを下支えする輸送ルートの一つで、中露の蜜月を象徴する。 実際、中国税関当局によると、昨年の中露の貿易総額は過去最高の約２４００億ドルだった。両国は今年までに貿易総額を２０００億ドルとすることで１９年に一致しており、前倒しで実現した。

黒河の中心部は、買い物や食事を楽しむロシア人観光客でにぎわう。昨年９月には、コロナ禍で中断していた団体観光客のビザなし観光が再開した。地元の飲食店経営女性は「対露関係が良くなるほど、我々は経済的に潤う」と話した。

中国東北部の遼寧省瀋陽では１月、中露の合同商談会で、インフラ建設などで総額１３６億元（約２７２０億円）の事業契約が結ばれた。今月末には瀋陽とモスクワを結ぶ航空便が就航することも決まった。習近平（シージンピン）国家主席とロシアのミハイル・ミシュスチン首相が昨年末の会談で確認した、経済分野での協力強化の方針に沿った動きだ。

ロシア経済を孤立化させたい米欧は、中露の接近に懸念を深めている。米政府の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ（ＶＯＡ）は「中国は国際制裁の最大の抜け穴だ」と指摘している。