服の「Ｍサイズ＝平均サイズ」は誤解！6000人以上担当したスタイリストが教える、体型に合った服の選び方

◆「Mサイズ=平均サイズ」ではない

ブランドのマスターサイズと言われる、中心サイズ（M、9、38）の服は、身長160から163cmくらいの人が着ると丈バランスがちょうどよくなるように設定されていることが多いです。

モデル体型までではない、160cm前半の、親しみやすい読者モデル体型の人が着てちょうどいいサイズ感です。

中心サイズ（M、9、38）がJIS規格の「9AR」に沿っていればいいのですが、そうではないのです。

よく「私は手足が短いから、いつもお直しになる」と言っている人がいますが、そもそも服の丈が、平均より長めに設定されているのです。

もしかすると、平均身長の人なら、中心サイズより少し小さめのサイズがジャストフィットするかもしれません。

また、「自分は平均より少し大きいから……」とLサイズを選んでいる人は、本当はMサイズがジャストフィットで、無駄に大きな服を着ている可能性もあります。

「自分の体に合ったオーダー服を作りました。でも、サイズはピッタリなはずなのに、素敵に見えないんです」なんて相談をたまに受けますが、自分の体のラインそのまんまで作ると、体型に相当の自信がある人でない限り、かなり危険です。

猫背の人は猫背の服ができて、お尻が大きい人はお尻が飛び出た服ができあがる。自分の抜け殻ができあがるということです。

服を仕立てるときは、「自分の体のラインはこうだけど、本当はこうありたい」という形で、体を入れても着心地がよく、服のラインが崩れない、ギリギリのシルエットにしなくてはいけません。

モデル体型とは言えない私たち。手足の長さや頭身は、今更変えられませんが、服はいつだって変えられます。