ガールズちゃんねる
  • 859. 匿名 2015/03/24(火) 07:38:14 

    『殉愛』のコメディ部門というか、ほほえましい箇所もご紹介させていただきます。

    p. 17~19(さくらさんが百田先生に初めてメモを見せるシーン)
    「ここです」
     彼女はノートを開いた。
     メモは黒のボールペンで横書きに記されたものだった。たかじんの字を見るのは初めてだったが、テレビで見る豪放なイメージとは違い、かわいいとも形容できる文字だった。ページの裏表に書くのではなく、すべて片面だけを使っていた。インクが裏面に透けるのを嫌ったのかもしれない。
    …中略…
     たかじんが私について書いた文章は全部で二ページ。最初のページにこう書かれていた。

     百田に委員会でしゃべらせる。おもろい。本間にテレビが好きやないとナイトスクープはできん。テレビを悪くしていく人間やスタッフが多い中、本物のテレビマンであり、ジャーナリストであり、作家でもある。もっと一緒に仕事をすればよかった!昔の秋元と一緒で、もっと早くのばせていたら。しゃべりもこのままやっていけるし、間違いない。気持ちええくらい正しい。強い。こういう人間をなくしたら、日本の報道もテレビもくさる。これ以上つまらん世界はあかん。久々の逸材。マスコミがテレビとジャーナリズムを下げて首しめてる(原文ママ)
    …中略…
     私はこのメモを見て非常に驚いた。たかじんがまったく親交のない私をここまで高く買ってくれているとは夢にも思っていなかったからだ。しかしメモの二ページ目にはもっと驚かされた。

     委員会で百田しっかり守る。発言守る。→弁解の場は委員会。対談とか、雑誌を一緒にやってもええな。僕の本をだすなら、百田に助けてもらう。→さくらのがむいてる。海賊で久々に本で泣く。こういう人間、作家こそ命や。飲みながら、さくらと3人で会うて、対談する。″テーマ/テレビ・バラエティ/ジャーナリストとは?作家とは″″日本の若者について″″ギゼン者とは″ これは創刊号で雑誌か歳とでやっても絶対受ける。→山田TVTVTV。ええ仕事を一緒にできる人間や!企画ねる。正直、真っすぐ、正しく生きる奴と友情つなぐ。(原文ママ)
    …中略…
     私はこの二ページ目のメモを読んだときに思わず胸が詰まった。友人でもなく話したこともない私を、国会やマスコミによるバッシングから「守る」と言ってくれたのだ。しかも「一緒に仕事をしたい」とも書いてくれている。おそらくたかじんの頭の中には、私との企画もたくさんあったに違いない。何よりも感動したのは、「友情つなぐ」という言葉だ。
    …中略…
     メモの中で一番驚いたのは、「僕の本をだすなら、百田に助けてもらう」という一文だった。しかも、「だすなら、百田に助けてもらう」の部分は、線で囲ってあった。他に選で囲った部分はない。
     たかじんは自分の本を私に書いてほしかったのかもしれない。ただ、気になるのは↓のあとに書かれた、「さくらのがむいてる」という言葉だ。これはどういう意味か。もしかしたら、妻のさくらの方が上手に書けると思って付け加えたものか。あるいは、私に妻のことを書いてもらいたかったのか――。

    (メモがイタコだと)分かっていて協力したという説もありますが、私はやはり、先生は全く信じ込んでしまわれたのだと思います。たかじんさんと「まったく親交のない」先生だからこそ、信じてしまわれたのだと思います。

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